海外で武道教室を選ぶ時に大切な4つのポイント!

武術・技術

海外で武道を始めることを決めたら、教室選びをしましょう。

武道教室を探すといくつも候補が出てきて、どれにしようか迷ってしまうこともあると思います。また、カルチャーセンターやジムのクラスに比べると、武道は敷居が高く感じられ、トライアルするのに少し勇気が要るかもしれません。

武道教室によって違いがありますので、ネット検索や、見学、体験レッスンをするときに何を基準にして選ぶといいのか、迷ったり失敗して時間やお金を無駄にしないためのコツとして、ここでは4つのポイントをお伝えします!

蜻蛉(トンボ)は前にしか進まないことから、「勝ち虫」と呼ばれ武士に好まれたそうです。
写真は抜刀術用の日本刀に埋め込まれた蜻蛉。

1. 継続を可能にする条件(場所、時間帯、費用 )

武道の継続には、無理や負担を少なくすることが重要です。 武道には基本があり、ある程度できるようになるまで時間がかかります。道着や道具など、初期投資に時間とお金がかかるので、途中で続けられなくなるのは大変もったいないことです。

長く続けられる教室を選ぶために、まずは1つ目のポイント、継続を可能にする条件として場所、時間帯、費用に無理がないかを確認していきましょう!

・ 場所は生活の導線上が理想

武道の継続には、教室の場所が通うのに無理がないことが不可欠です。通いにくい教室を選んでしまうと、無理や負担から継続するのが必要以上に難しくなります。 自分の身体と頭が武道仕様にシフトしていく最初の3ヶ月間、休まず、無理なくクラスに参加できるように、自分にとって通いやすい場所を選びましょう。

・通いやすい場所とは

自分にとって通いやすい教室の基準は、「生活の導線(通勤経路)上にあるかどうか」 です。自宅と職場のどちらかに近い教室、または通勤経路の途中にある教室を選べるのが理想です。教室が生活の導線上にあると、通うために余計な時間や労力がかかりません。

私が通っている教室は、通勤経路上のバスと電車の乗り換え地点の間( 通勤経路の途中 )にあって、始めてから1年以上、週に5・6回は負担を感じることなくクラスに出ていました。

このように、通勤経路上にあるところを選ぶと、とても楽に稽古の継続ができます。

・通いにくい場所とは

反対に、通いにくい場所とは、通勤経路から離れて5分以上歩く場所、逆走をする場所です。乗り換え駅から遠かったり、自宅から職場に出勤する前に行く教室が、自宅とは反対の方向にあると、歩いたり逆走する手間がかかるので、 こういった場所を選ぶことはお勧めできません。

武道の稽古をした後は、夜であれば疲れているでしょうし、朝であれば仕事に行くために急ぎます。道具などを入れた重いカバンを余計に持ち歩くことになるので、逆走して往復する労力、時間、精神的負担がかかります。

私が以前学んでいたある武道教室は、通勤経路の途中にあって、 1年ほど継続して通っていたのですが、ある時突然、教室が1キロくらい離れたところに移転してしまい、朝15分早く起きて、さらにバス停から10分ほど歩くことになりました。

その結果、

  • 6時に起きていたのが、5時台に起きることになり、
  • 前の晩から早起きしなくてはいけないと思うストレスを感じ、
  • それまでより10分早く教室を出るので、
  • シャワーを浴びる時間もなく、一日汗まみれのまま仕事をすることになり、

それ以来とても億劫になって 、その教室には行かなくなってしまいました。

少しでも通勤経路から外れた場所にあると、通う負担が増えて継続が難しくなりますので、5分以上歩いたり、逆走をしなければならない場所は避けるようにしましょう 。

・通いやすくする工夫

また、通いにくい場所にある武道教室については、通いやすくするために、生活の導線上で学ぶ工夫をすることができるか検討してみましょう

  • 生活の導線上で学ぶ工夫としては、
    • 導線上に住んでいる先生または上段者から個人的に教わる
    • 教室を通るように通勤経路を変える

ということができると思います。

海外では熱心に武道を学んでいる人が多く、教室外の稽古にも喜んで付き合ってくれる 先輩や先生もいるので、 もし導線上に住む先生や先輩がいる場合は、自宅などで個人レッスンをしてくれるかどうか聞いてみましょう。

私の場合は以前、 職場の近くに住む上段者の方に、出勤前に朝1時間ほど自宅のガレージで稽古をつけてもらっていたことがあります。

その方の家は、元々の私の通勤経路からは少し外れていて、乗り換え駅から15分ほど歩かなければいけませんでした。しかし、別のバスルートを使うと、バス停から3分ほど歩くだけで済むことがわかったので、稽古の日だけ通勤経路を変えて通うことにました。

結果的にそれ以前よりも、バスに乗っている時間は増えましたが、長く歩くことも逆走することもなかったので、特に不便を感じることもなく、仕事を休まない限りほぼ毎週継続することができました。

教室に通いにくい場合は、 このようにレッスンと通勤経路を近づける工夫をすることができます。

  • 武道教室の場所を選ぶ時は、継続がしやすいように、
    • 自宅と職場の間などの、生活の導線上にあることを基準に選び、
    • 導線から外れるところはなるべく避け、
  • 通いにくい場所にあるところは、
    • 生活の導線上で学ぶ工夫をする

ことをを考慮しましょう。

・生活リズムとの調和

場所に次いで大事なのが時間帯。ホームページなどで時間割が公開されているはずですので、まずはお目当てのレッスンの時間帯を確認しましょう。

海外では出勤前に運動する人が沢山いるので、朝6時~9時台のレッスンをオファーしているところは多いです。ビジネス街から近いところであれば、ランチタイムにササッと行ける小一時間のクラスの人気も高く、遅いところでは夜8時から9時台のレッスンがあるところもあります。

  • ある教室のスケジュール例(平日のみ)
    •  7~ 8時 (朝)
    • 12~13時 (昼)
    • 16~18時 (夜)
    • 18~20時 (夜)
    • 20~21時 (夜)

私の場合、武道教室のホームページに載っている時間割を見たところ、朝と夜のレッスンがありましたが、ビギナー向けと書かれているクラスは夜しかありませんでした。

仕事が遅くて夜に通うのに無理がある日があったので、朝のクラスに初心者が参加しても良いかメールで問い合わせたところ、初心者も上級者も混在しているので問題ないと言われて参加し、その後、無理なく継続することができました。

自分の生活リズムを優先に時間帯やクラスを選ぶと、より継続がしやすくなります。どうしても無理があるようなら、他の教室の時間割も見て比較検討してみましょう。

・予算内に収まるかどうか

最後に、継続して支払いができる価格であるかも確認が必要です。まずは自分が無理なく支払える予算を立て、実際にかかる費用がカバーできるところを選ぶと良いです。

武道には道具、ユニフォーム、レッスンの他に保険や怪我をしたときの治療費、昇段試験費用、試合に出る費用、定期的なセミナーの費用など、関連する費用(エクストラ費用)は意外と沢山あります。

・費用の具体例(オーストラリア)

ご参考までに、オーストラリアでのアルバイトの最低時給が約20ドル(1500円程度)、月収を3200ドル(23万円程度)として、武道教室の初年度の費用の例をご覧ください。(1ドル72円で換算)

例1:カンフー教室 初年度の費用

  • ユニフォーム
    • 120ドル (約8600円)
      • Tシャツ、ズボン
  • 道具
    • 140ドル(約1万円)
      • ボクシング・グローブ
      • バンデージ      
  • レッスン代
    • 1400ドル(約10万円)
  • セミナー費と宿泊費 (2日間分 )
    • 340ドル(約2.4万円)
  • 昇段試験費用( 全4回分 )
    • 200ドル(訳1.4万円)
  • その他:100ドル (約7200円)
    • 入会費
    • 年間の傷害保険

合計 年間 2300ドル(16.5万円) 平均、月に160ドル(1.1万円)

例2:ムエタイ教室 初年度の費用

  • ユニフォーム なし
  • 道具         
    • 140ドル(約1万円)
      • ボクシング・グローブ
      • バンデージ
  • レッスン代     
    • 2880ドル(約20.7万円)
  • セミナー なし
  • 昇段試験 なし

合計 年間 3020ドル(21.7万円) 平均、月に250ドル(1.8万円)

例3:ブラジリアン柔術教室 初年度の費用

  • ユニフォーム     
    • 400ドル(約2.8万円)  
      • (道着2セット)
  • レッスン代     
    • 2400ドル (約17.3万円)
  • セミナー参加費(4時間 )    
    • 130ドル(約9300円) 
  • 試合参加費( 年4回分 )    
    • 200ドル(約1.4万円)  
  • 昇段試験 なし

合計 年間 3130ドル(22.5万円) 平均、月に260ドル(1.8万円)

鍼灸、マッサージ等での治療費(保険適用の場合)の例
80ドル(約5800円)x5回=400ドル(約2.9万円)

教室によってレッスン代以外の費用はまちまちですね。私の場合は月一万円くらいのところが無理のない選択でした。

・エクストラ費用の確認方法

全ての費用がホームページで確認できるわけではありませんので、予め費用の概要を押さえておきたい場合は、教室に確認するのが良いと思います。ですが、お金に関することを道場であれこれ尋ねるのは先生の時間も取ってしまうので、ある程度まとめてメールで質問したほうが回答も得られやすくハッキリとするかもしれません。

トライアルレッスンの後に先生にとりついて延々と質問をしている人がいて、ほかの人が質問できなかったり、先生の帰りが遅くなったりしているのを目にしていたので、私はホームページで下調べをして、先生への質問はなるべくまとめて、時間内に聞けないことはメールで質問しました。

また、海外では武道の昇段試験や試合の参加が強制のところもあれば、やりたい人、または選ばれた人だけ、というところもあります。エクストラの費用に対してどの程度選択肢があるのか 、教室に確認しにくい場合は実際のところを他の生徒さんに聞いてみるなどしてみましょう。

プライベートレッスンが穴場

個人レッスンの様子 (ムエタイ教室)。通常のクラスよりも質の高いトレーニングが受けられるのでお勧めです。

場所、時間帯にも関係しますが、費用を考慮した場合、プライベートレッスンを選ぶのが意外にもお得だったりします。

例えば、私がトライしたある武道教室でのレッスンは、 通常1時間20ドル(1500円)。混雑する夜のクラスでは一人のインストラクターが15人もの生徒を見ることがあって、練習できるスペースも狭くなってしまってあまり費用に対する効果に満足できませんでした。

ですが、同じ教室の別のエリアで、教室のオーナーさん(もちろん一番スキルのある方)が5人ほどの生徒と練習しているのが目に入りました。

話を聞いてみると、やはり夜のクラスは混雑するので、お友達同士で通常1時間80ドル(約5700円)のプライベートレッスンをシェアしているとのこと。値段は一人25ドル(約1800円)ですが、1時間半受けられるのでとっても良いと言っていました。

2. 団体の文化は自分にマッチしているか

武道を続けていける条件が確認できたら、次は2つ目のポイント、教室の文化的側面をチェックしてみましょう。

自分の価値観との相性

日本で武道をやる人にとって武道的な価値観はある程度共通の認識がありますが、海外ではどこまで深く踏み込んで捉えているかは先生によって違います。スポーツの延長と考える先生もいれば、真面目に武士道を生きている方もいます。

私の場合、子供の頃に柔道などの道場に神棚があるのを見て以来、それがどういうことなのかを知りたいと思ってきました。その結果、教室を選ぶときには、モラルや精神性をメインの価値観に含んでいることが重要な要素になりました。

私は以前に、柔術やその他の武道を教えている道場に、武道の道具を買うために行き、そこでの練習風景を見たことがありますが、特に柔術に惹かれることはありませんでした。

ところがある時、別のブラジリアン柔術の教室のトライアルレッスンに友人が行くのについてったところ、スローガンに「尊敬」という倫理性がはっきりと示されていて、実際にそこにいる人達もそれを大切にしていることが感じ取れてとても心地のよさを感じました。

私が初めてその教室のトライアルレッスンに参加したときのことですが、全くの初心者で自分が何をやっているのかわからず、稽古相手の時間を無駄にしてしまった気がして気まずく感じました。

どうしようと思っているうちに稽古が終わってしまったのですが、先生に礼をした後、その場にいる全員一人ひとりにも礼とハグをして終わる習慣があり、そのときにその方が何も言わずに笑顔を見せてくれてとても安心することができました。

こうした習慣がないところであれば気まずいまま、教室に戻って来づらくなってしまっていたかもしれません。

こうした教室で大切にされている価値観を体験し共感していった結果、実際、自分が柔術を始めるとは思っていなかったのですが、そこで学んでいくことになりました。

ですので、教室を選ぶ上で、価値観の相性はとても大事だと思います。

ホームページからもその教室の価値観を知ることができます。先ほどの教室も含めましたが、以下は、各教室の紹介ページからピックアップした価値観の例です。あなたの心にはどの価値観が響くでしょうか?

  • 総合格闘技教室 EVOLVE ’Unleash Your Greatness’
    世界王者 (‘World Champions’)のインストラクター数が世界一の教室。UFCなどの世界戦で受賞歴のある競技者が教える。武道家、人間として精神、肉体、感情、魂の向上を目指すとともに、現実性(‘Reality’)を重視し、競技で結果の出る技術、路上で機能する護身法を教える。
  • 柔道、合気道、空手、柔術教室 KOKUSHI BUDO ‘Traditional Martial Arts’
    講道館柔道、極真空手、富木合気道を創始者から直系で学んだ東信義が、全ての技術を総合して創った国士流柔術の教室。講道館から武道と教育とを融合させる理念とその技術を引き継ぐ、伝統と歴史のある教室。 
  • ブラジリアン柔術(BJJ)教室 ROOTS ’Respect, Honour, Loyalty, Family’
    BJJを通じて関わる、自分を含めた全ての人を尊敬し、誠実さと名誉と正直さを持って稽古・試合・生活に臨み、仲間と先生に忠誠であり、仲間は家族で、ここで稽古するとき教室は自分達の家(ホーム)であることを理念とする教室。
  • ブラジリアン柔術(BJJ)教室 LEGACY ‘Evolve, Success, Legacy’
    「健康的なライフスタイルへの情熱と夢」をベースにし、自律と尊敬に焦点を置いて、生徒「一人ひとりの成長」と、「自分自身に対する気づき」を生み出している教室。BJJをライフスタイルとして生きながら、レガシーと共に成長する人生を手に入れるという夢の実現をサポートする。
  • 合気道教室 Armidale Aikido (合気会)’Improving the human spirit.’
    たゆまず心身を磨くことを通じて「人間の精神を向上させる」ために稽古をする。創始者の理念によって、競技であるスポーツとは分けられているため、生徒に勝ち負けを考えさせず、合理的で無理のない動きが自然に身体から流れ出るようになるまで技術を磨くことに専念させる教室。

検討中の教室が提示するキャッチフレーズやテーマが、自分が武道に求めるものとマッチしたところを選ぶようにしましょう。

・雰囲気は場のエネルギーの質

教室を選ぶときに、先生、生徒、を含めた教室全体の雰囲気を考慮することは大切です真剣さ、和やかさ、明るさ、熱気といった要素は目に見えるものではないですが、ともすれば葛藤やフラストレーションから怪我をしたり人を怪我させたりする可能性もあるの武道の教室。海外ではかなりアグレッシブな方がいたり、逆に真剣さに欠ける雰囲気で、あれっと思ったりすることがあります。

場の雰囲気を形成しているエネルギーの質が高くポジティブであり、バランスが取れていることがとても大切です。殺気だらけでも気が緩みすぎていてもダメ。

私が見学に行ったある教室では、先生がしっかり教えていて、かつ生徒一人ひとりに声をかけ、生徒が理解できなくて葛藤している部分は冗談を言って場を和ませながらもう一度やって見せてくれる先生がいて、生徒も穏やかで、とても良い雰囲気でした。

別の教室では、先生が冗談を言ったりして面白い人だったのですが、こちらが真剣に習いたいと思っていても、眠そうにあくびをしながら教えたりして明らかに手を抜いていたので、さすがにお金を払いたくなくなりました・・・。

また、トレーニングしながら、ずっと世間話をしているようなところもありましたが、もちろん選択圏外!でした。

真剣な姿勢と、肩の力の抜けた柔らかさが両立している武道教室を選ぶのがベストです。

3. 運営者の誠実さが伺えるか

さて、この武道教室とは肌が合いそうだな、と思ったら、3つ目のポイントである運営者の誠実さを確認しましょう。

グレーディング・システム(昇段試験)

昇段試験の仕組みは、運営者の誠実さを見いだす一つの手段になります 。

最近、海外の武道界で「マック・道場」(McDojo:お金儲けを目的にした、いい加減な道場の総称)が話題になっているのをご存知でしょうか。

色々な国の武道が世界中で学べるようになってきた現代、実力がなくてもお金で流派の名前や利権、帯を売る人たちができてしまいました。 フランチャイズ化が進んだ系統では、年数が経てば自動的に昇段し、お金で黒帯などが買えるようになっているようです。

(ホームページで教室のブランド使用権利などの販売について宣伝しているところなどが該当すると思われますので、教室のページ内を検索してみましょう。)

それに比べ、厳しいところでは試験自体がなく、先生に認められなければ昇段不可能であるところ、試験があるところは1年に4回あるところ、1回だけのところ、段自体を廃止しているところなど、昇段システムは教室によって、まちまちです。

それぞれの方法に意図があるずなので、あるなし、は問題ではなく、正しく自分の技術の向上のために役立つシステムなのか、それとも生徒の成長よりも教室の収益の増大に焦点を置いたシステムなのかを見極めた上で教室を選ぶようにしましょう。

高すぎる、多すぎる、少なすぎるなどと感じたときには、なぜそのようなシステムになっているのか質問してみるのもいいかも知れません。

私は年4回もある初級のグレーディングについて、ホームページにあまり詳しく書かれていなかったので、先生に何のためにあるのか聞いたことがあります。先生の回答は、基本を押さえさせ、中級以上で複雑なことを学んでいくときにつまづかないようにするため、とのこと。

実際に、私より先に始めた友達でも、一緒に受けたグレーディングで条件を満たさなかったということで不合格になりました。そのために私は自分が昇段できても手放しに喜べませんでした。一緒に練習してきて、自分だけ不合格になった友達は本当に悔しかっただろうと思います。

でも、ここで分かったのは教室のグレーディングには本当に基本を作る意図があるということ。実際に友達を不合格にさせたのは、この武道教室の誠実さの表れだと思います。

英語でシンプルに確認するなら、グレーディングで不合格になることはありますか?と聞いてみましょう。

安全に対する配慮があるか

安全に対する配慮は 武道教室の運営者の誠実性を示す大切な要素で、教室を選ぶときには必ず考慮したい点です。

私の通っている教室で、安全に対して良く配慮されてるなと感じた点をご紹介します。

  • 先生に応急処置とCPR(救急救命)の資格の定期更新を義務付けている
    (毎年更新で半日~1日程度の講習。80ドル(5~6000円)程度。
  • 費用に傷害保険が含まれている
  • 生徒の数に対してインストラクターの数が十分配置されている 
    (私の感覚として、 スパーリングで8人(4組)以上のクラスでは2人以上インストラクターがいないと目が届かず危険だと思います。 )
  • 安全のためのルールやマナーが張り出され、全員に共有されている
    「爪を短く切り清潔にし、自他の怪我にならないようにする。」(配布物、張り紙より)
  • 安全のために稽古を中断させたり、休養するように指示することがある
  • 稽古や試合の出場などの強制がなく、常に生徒の意思や体調が配慮される
    (スパーリングの前に、怪我をしている人、休養したい人を先生が確認してくれる)
  • 衛生面にルールや注意の呼びかけがある
    「風邪や具合の悪い時は他の人に伝染る可能性があるので稽古に来てはいけない。判明したときは退場になる。」 「皮膚感染がある場合は稽古に参加しない。マットの上は裸足で歩く。マットの外に出るときは靴を履く。」 (外国では普通に裸足で路上を歩く人がいるので)

日本と比べて海外の安全や衛生の認識レベルはかなり低い部分があります。私の友人が通っていたある武道教室では、友人が水虫になったので治るまで休んでいたのですが、ほかの生徒も水虫になっていたことがわかり、共有して裸足で使っているマットから集団感染していたことが分かって、消毒騒動になったという話を聞きました。そこでは特に感染症に対する注意がなかったそうです。

配慮のある教室は、配布されるリーフレットや、教室の張り紙などに上のような内容を含んでいて、さらに口頭での呼びかけがありますので、その辺りも気にして選ぶと良いと思います。

安全に関しては色々と要素がありますが、上に加えて私が一番大切だと思うのは、先生が自分の名前を覚えて呼んでくれ、声をかけてくれて、きちんと目が自分に届いていること(気にかけてもらっていること)を感じるられかどうかです。

4. お金と時間を投資する価値があると思えるか

・上級者になるまでの目安

海外で武道教室を選ぶとき最後のキーポイントは、これからお金と時間、つまり自分の人生をかけていくだけの価値と魅力があるかどうか。

ソーシャルメディアなどで公開されている、先生や師範の実際の演武や試合の様子を動画で見て、これはすごい!こんな風になりたい!尊敬できる!などと思うことができればモチベーションになりますよね。もしそのような動画が見つからなければ公開演武や試合などを見に行くと良いと思います。

ただし、そのようになれるまでには勿論時間がかかるうえ、何をどこまで教えてくれるのかが明らかでないこともあります。学びの段階がどのようなシステムになっていて、何年くらいで実力として上級者になれるのかを確認しておくと良いでしょう。

私の通っている武道教室のホームページにこのようにガイドラインが書かれています。

「初級1年、中級3年、上級8年…指導層15~25年以上… (最低年数) 」

30歳から始めて、40歳手前くらいでやっと上級者レベルになる計算です。

しかし、実際に始めてみると、スイスイと昇級できるわけではなく、私の場合は初級を終えるのに2年かかりました。

かたや、教えてくれている先生は自分と2つ3つくらいしか年齢が変わらないのに既にグランドマスターの内弟子(Disciple)だったりします。インストラクターも20代の若い人だったりして、すごいな、というか自分年取ったな、と思ったりするのですが、先生や先輩たちに口を揃えてこう言われます。

“Martial Arts is a life-long journey. “「武道は人生という長い時間をかけてする旅なんだ。」

私の学んでいるカンフーの体系では型だけで200以上伝わっていて、「一つの人生で全て学ぶのは不可能」とさえ言われています。その他にも風水、獅子舞、気功など沢山の要素があり、底なしに奥深く、30代から始めて到底学びきれるものではないのですが、私はそういった深みと幅があるからこそ、魅力的であり、何年かかっても学ぶ価値があると思って選びました。

もし、年齢を気にして迷ってしまっているのであれば、海外ではほとんどの場合、初心者のクラスには数年以内に武道を始めた大人しかいません。他の武道の経験がある人も、新しい武道を習うときはみんな基本から始めますし、逆に他での経験が障害になることもあるので、スタートラインは同じです。家庭を持っているお父さんお母さんや、50代の初級者、60代の中級者の人もいます。

年齢や家庭環境で人を区別したり比べたりしないのも海外のいいところ。もし5年後10年後にその武道教室で中級、上級になって上達して喜んでいる自分をイメージできるような魅力が感じられれば、今いくつであってもその教室を選ぶ価値があるはずです。

・私の教室選び

最後に、私がどのようにしていくつかの候補の中から教室を選ぶことにし、最終的にYES!を出したのか、具体例をご紹介します。

私は、海外に来てからずっと仕事と勉強ばかりしてきたので、そろそろ自分の好きなことをしたいと思ったのがきっかけで、武道教室を探し始めました。

当時、土日も含めて週に5日、朝10時から夜8時まで、自宅から1時間離れたところで働いていたので、時間が取れるのは出勤日の朝か、平日の休みの日だけでした。車を持っていないのでなるべく近場で、費用は高すぎず、価値観として精神性の感じられるところ、ビザ取り学校の噂を聞いていたので、そういったところは避けるといった計画をしました。

ネットで見つけたり、友達が紹介してくれたところも含め、全部で7つほどの武道教室が地域にあり、ホームページで下調べして、興味深く、かつ場所、費用、時間帯の都合の良いところをピックアップして、体験クラスに参加しました 。そのうち3つ教室の感想を比較したものを下にまとめました。

  • 教室A
    • 文化
      • 技術が特異で難しいのでみんな真剣に学んでいるが、
      • 先生は優しく、バランスのとれた良い雰囲気
      • 武道だけでなく、気功、瞑想法も教えていて精神性も重視している。
      • 治療院が併設され、地域活動にも参加していて
      • モラルやコミュニティ性が高い。
    • 誠実さ
      • 先生が無償で教えていて完全に非営利組織であることに驚いた
      • 昇段試験は数が多いが、目的がはっきりしている
      • 初心者に怪我がなかったか等、確認する配慮があり、安心して参加できた
      • 10か条のルールが教室に明示されている
    •  魅力
      • 上級になるのに最低8年はかかり
      • 一生かけても学びきれないほど多くの内容がある
      • 生涯学び続けても飽きることがなさそうである
  • 教室B:
    • 文化
      • 参加してみてとても楽しく、先生もみんな優しい
      • クラスが肉体トレーニング重視で精神性はあまり取り沙汰されない
    • 誠実さ
      • 昇段試験はなく、1年ほどで試合に出る人もいる。
    • 魅力△
      • 身体をしっかり鍛えられる点が魅力的
      • 進歩の段階がはっきりしていないので、
      • 長期的なモチベーションが見いだせない。
  • 教室C:
    • 文化◎
      • 少し真面目な雰囲気のあるところだが、
      • 先生が朗らかでいいバランスを保っている。
      • 礼を重んじて、お互いを磨き合うという価値観に共感できる。
    • 誠実さ
      • 昇段試験はなく、先生が実力と普段の取り組みを認めた人のみ昇段。
      • システム上は上級になるまでに最低5、6年かかる。
    • 魅力○
      • 他の武道教室より昇段の条件が厳しく、
      • 厳しく真面目に実力をつけさせているところを見ると、
      • 確実に心身を向上させてくれそうである。

以上の教室A~Cの感想をまとめるとこの表の通りになります。

  場所 時間帯 費用 文化 誠実さ 価値魅力 総合評価点
教室A   11
教室B △  △  〇  △    0
教室C △  ○    7

◎=2、○=1、△=-1、☓=-2          (12点満点)

比較してみたところ、

  • 良い点が総合的に多いのが教室A
  • 教室Bは良い点が比較的少ない
  • 教室CはAより費用が高いが良い教室

という結果であったので、最終的に、教室Aをメインに入門すること選び、教室Cには費用と時間の許すだけ稽古に参加していくことにしました。

体験してみたそれぞれの教室に魅力があって、できることなら全部やりたかったのですが、体は一つしかないので、絞って優先順位をつけざるを得なかったというのが本音です。

私の武道教室選びは、地域にある武道教室の中から、時間と場所と費用の物理的に継続可能な条件を満たしているところを確認した上で、実際にレッスンを体験をしてみて、文化、誠実さ、価値魅力の精神的な側面でよりポイントの高い教室を優先して選んでいった形になりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

日本とは環境の異なる海外で武道教室を選ぶ時に大切な4つのポイントをおさらいすると、

  1. 継続する上で無理がないこと(場所と時間帯と費用)
  2. 教室の文化が自分に合っていること(価値観と雰囲気)
  3. 運営者が誠実であること(不当に儲ける意図がなく、安全を配慮している)
  4. 投資するだけの価値や魅力があること

教室を選択する要素が色々ありすぎて迷ってしまうかもしれませんが、この4点を押さえていただければ、まず教室選びに成功し、大切なお金と時間をセーブすることができると思います。

無駄にしなかったお金は道具を揃える費用に回して、さあ、ワクワクしながら武道ライフを始めましょう!

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