神戸大学教授で感染症の専門家の医師でもある岩田健太郎教授が、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の船内が「悲惨な状態」であるのにも関わらず、船内から「たった1日で追い出された」批判する動画を配信しました。
これを受けて、橋本岳厚生労働省副大臣が、「現場責任者としての私は承知しておりませんでした」とツイートし、 岩本教授の行動が許可を得ない行動であるとしていることが話題になっています。
橋本岳副大臣が、ダイヤモンド・プリンセス号の現場責任者であったこと、 さらに橋本龍太郎元総理大臣の息子であったことなどがわかり、驚く声も上がっています。
岩本教授の行動については、賛否両論がありますが、これまで橋本岳副大臣が現場責任者としてどんな対応をしてきたのか、いつから現場責任者だったのかについて調べてみました。(クルーズ船出発から下船開始の19日までの対応履歴)
クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号は今年2020年の1月後半に出港したばかり。
- 1月20日
- ダイヤモンド・プリンセス号横浜を出発
- 1月25日
- 香港で下船した乗客の新型コロナウイルスへの感染が判明
この時点では、橋本岳副大臣は現場責任者ではありませんでしたが、厚生労働省の新型コロナウィルスの対応について、自身のブログやツイッターで情報発信をしていました。
- 2月3日
- クルーズ船、横浜に戻る
- 2月4日
- 横浜港沖で273名の再検疫
- 陽性の10名を病院に収容
- 2月5日の早朝まで船内での行動の制限はなし
- ショーなどののイベントを通常通り開催
- 2月5日早朝以降
- 症状が発生していない乗員・乗客3700人に船内待機の指示
- 2月9日
- 運行会社プリンセス・クルーズが全乗客の旅行代金を払い戻し、無料とすると発表
- 橋本岳副大臣、自身のブログではじめてクルーズ船について触れる
このブログで報告されているクルーズ船の状況は、
- 検疫官が乗船して臨船検疫中という状態であること
- 検疫所長の許可がなければ乗員・乗客ともに上陸ができないこと
- 入港日の3日から臨船検疫を開始していたこと
- 症状のある人や濃厚接触者にPCR検査を行った
- 乗客279名中64名の陽性が判明している
ということと、感染症の対策として行っていることが、
- 極力個室での滞在
- アルコール消毒・手洗いの徹底
- マスクをつけてデッキを散歩すること
- 5日以降イベントの中止
- Wi-Fi環境を整えて過ごしやすくした
- 医薬品の調達率をIT活用などで改善を検討中
- 潜伏期間終了後の上陸方法を検討中
- 発熱や他の病気を発症した人の対応
- 船内での医師の診察
- PCR検査
- 病院への搬送など
- 濃厚接触者(同室の人)も検査をすること
などでした。
そしてこの翌日の10日になって、橋本岳副大臣は始めて現場指揮者となっています。
- 2月10日
- 橋本岳副大臣と自見はな子厚生労働大臣政務官が加藤厚生労働大臣から現場責任者に指名され、横浜ふ頭入する。
- 2月16日
- 橋本岳副大臣、クルーズ船について2度目のブログ記事を発信
コロナウィルスの対応の内容として、
- 乗員にアルコール消毒薬を配布
- 専門家が手指消毒の方法を指導
- 乗員にマスク・手袋着用をさせている
- 発熱や陽性反応が出た乗員は休業か入院させている
- そのためサービスに支障が発生
- 業務の代替に自衛隊の協力を得ている
- 2月19日の朝に大多数の検疫期間が終了・下船を開始する予定
- 検疫期間が明けない乗員乗客の対応を検討中
と報告し、
- 困難の中でも船長や乗員が乗客への責任感とホスピタリティを維持しつづけていることへ頭が下がる思いである
ともコメントしています。
- 2月17日には、
と、船内に勤務していた厚生労働省職員1名の感染が確認されたことをツイート。
この次の日の18日に岩田教授がダイヤモンド・プリンセス号に入り、「その日の内に追い出され」、さらに同日の夜に告発動画を発表しています。
- 2月18日
- 橋本岳副大臣がクルーズ船内で岩田教授を見かけて何をしているのかたずねる(時間は不明)
- 2月18日午後
- 橋本岳副大臣ダイヤモンド・プリンセス号のクルーからのあたたかい心遣いに泣きそうになる心境をツイート
- 2月18日 夜
- 岩田健太郎教授
- クルーズ船内の様子を語る動画を公開し
- 船内での感染症対策が不十分と語る
- 動画は半日で50万回以上も再生された
- 橋本岳副大臣
- 下船した人々に対する感染者扱いをしないようにツイートで呼びかける
- 上陸を許可した理由と正当性をツイート
- 岩田健太郎教授
そして2月19日の午後、岩田教授の行動を批判をするツイートをして、SNSが炎上。
岩田教授の動画についてニュースなども報道をはじめ、
- 岩田教授を追い出したのは副大臣であるという批判
- 副大臣の言う通りなのであれば、岩田教授の行動は間違っている
などと賛否両論になっています。
どちらの言い分が正しいのかは、下船が確定している今、事態がどのように発展するかによって判明するほかはないのかもしれません。
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