総合格闘技やUFC、ベラトールやMMA。色んな用語が出てくる格闘技の世界に少し混乱することはありませんか?
現在総合格闘技は海外で大きな盛り上がりを見せていて、用語が次々と海外から入ってきているのと、それを翻訳した日本語、そして昔から使われている言葉などが入り混じって、注目しはじめたばかりの方にとってわかりにくくなっていると思います。
また、多くの選手が存在する総合格闘技で誰が強いのか、どの選手に注目したらいいのかもわかりにくいところがあります。
ここでは、総合格闘技に興味を持たれた方のために、総合格闘技、UFC、MMAなどの用語の違いや意味、そしてUFCの最強レベルの格闘家・今注目すべき選手の探し方、調べるポイントと、現時点での最強選手5人を紹介します。
それでは、総合格闘技の用語からみていきましょう!
目次
総合格闘技とUFCの違い
総合格闘技とUFC の違いは、総合格闘技が「競技の種類」であるのに対して、 UFC は「競技団体の名称」であることです。
総合格闘技は、様々な種類の格闘技を混合させることを許して最低限のルールで闘う「格闘技の種類のひとつ」です。
これに対して、UFC は総合格闘技という競技の試合を主催している団体の一つです。こうした団体は興行(こうぎょう)団体、英語ではプロモーション(Promotion)などと呼ばれます。
なので、総合格闘技は競技の種類、 UFC は競技団体であると考えていただければ良いと思います。
MMAと総合格闘技の違い
総合格闘技は英語で MMA と呼ばれています。これはMixed Marital Artsの略称で、直訳では「混合武道」を意味します。
意味は同じで、英語か日本語かの違いがあるだけです。
(Marital Artsの直訳は武道ですが、 日本語では格闘技と呼ばれていて、Mixedは「混合」っではなく、「総合」と訳されています。ここからMMAに対する日本と英語圏での認識の違いをうかがい知ることがで知るような気がしますね。)
UFCとMMAの違い
UFCとMMAの違いは、UFCは総合格闘技の興行団体、MMAが総合格闘技の英語(略称)であることです。つまり、UFCはMMAの試合を開催する団体です。
UFCはアメリカにある世界最大規模の総合格闘技団体です(本部はラスベガス)。 ブラジリアン柔術を生み出したブラジルのグレイシー一族がアメリカに総合格闘技を持ち込んだ際に作ったと言われている団体です。
海外での総合格闘技の歴史についてはこちらの記事に記載しています。
UFCはUltimate Fighting Championshipの略で、現在は日本の総合格闘技団体 RIZIN (ライジン)で活躍している堀口恭二選手もUFCで2000年代前半から活躍していました。
MMAのメジャーな団体(プロモーション)は、アメリカではUFC,ベラトールMMAなど、アジアではシンガポールのOne Chanpionship、日本ではRIZINなど有名です。
こうした総合格闘技団体は、ボクシングで言えば、プロボクシング団体のIBF、サッカーで言えば NFL、バスケットボールでは NBAなどに相当しますが、他の競技に比べると、総合格闘技には現時点で世界統一ルールが存在せず、競技団体が乱立していて数がたくさんあるのが特徴です。
総合格闘技のルールについては上の記事も参考になると思います。
ランキング最強レベルのMMA格闘家
UFCには男子にはフライ級からヘビー級までの8階級、女子にはストロー級からフェザー級までの4階級があり、2020年3月現在で628人もの選手が登録されています。
ここでは、選手がたくさんいてランキングが日々入れ替わっている中で、
- 今、誰が強いのか?どの選手に注目すればいいのか判断するコツと、
- 現時点で最強レベルとされている選手5人
をご紹介します。
最強の選手の探し方=PFPx階級王者でみる
総合格闘技は基本的に階級ごとに試合を行い、階級ごとに王座とが設定されています。
さらに、PFP(パウンド・フォー・パウンド)と言って、重量の階級に関わらず、最強選手をランク付けするシステムがあります。
UFCの公式ページ(www.ufc.com/rankings)に行ってランキングを見ると、一番上に’MEN’S POUND-FOR-POUND TOP RANK’というPFPのランキングが出てきます。
(日本のUFCのページ(UFC JAPAN)にはPFPのランキングが記載されていないので、本家のページを見ましょう。 )

これが重量無差別のトップランキング。1位から15位までの選手がリストになっています。
その下には、各階級別のランキングが並びます。
まずは、
- PFPのランキングに上がった選手のリストを眺める
- 次に階級別王者をざっとみて、見覚えのある選手名があるか探す。
選手が見つかったら、その選手はPFPにランクインしていてかつ階級別の王者ということなので、トップレベルの選手であることがわかります。
プロフィールを確認する
選手の目星がついたら、プロフィールを確認してみます。
日本のUFCの公式サイトには、バイオグラフィーやプロフィールが書かれていますが、情報が少ないので選手のことを知らないと読んでも(?)となってしまうのであまりおすすめしません。
まずは英語・日本語どちらかのサイトで戦績などをざっと見て、次にWikipediaで検索して日本語で選手のこと読んで見ましょう。
Wikipediaでは、
- 選手の年齢、出身地、階級
- バックボーン
- 獲得タイトル・戦績
- 来歴(生い立ちやこれまでの人生)
などをチェックします。
特に、どんな格闘技を戦闘スタイルの背景としているのかがわかる「バックボーン」(背骨という意味)をチェックしておくと、試合を観るのが面白くなります。
総合格闘技では、レスリング・柔道・空手・ボクシングなど、様々なバックボーンを持った選手が闘っています。
さらに選手のバックボーンは複数あることがほとんどで、その組み合わせがその選手をユニークにしているので、バックボーンは必ずチェックしておきたいところです。そこから派生した「ファイトスタイル」について読むと、その選手がどのような個性を持っていているのかがわかります。
個人的には、選手の生い立ちやこれまでの人生(来歴)を読むと親近感がわくので、ウィキペディアを読むのが好きです。
試合の動画をチェックする
選手の基本情報が確認できたら、試合の動画を見てみます。
UFCのサイトで公開されている試合の動画は短いハイライトを見ることができます。
ファンが選んで作った動画集などもみどころをが押さえられていて、面白いと思います!
選手の基礎知識をつけた上でみると、なるほど~とより深く試合を理解することができるでしょう。
SNSをフォローする
試合を見て気に入った選手は、フェイスブックやインスタグラムでフォローしてみましょう。
選手のプライベートな現在を知ることができて、より親近感がわくでしょう!
ハビブ・ヌルマゴメドフ
UFCの パウンドフォーパウンドで第1位の選手はハビブ・ヌルマゴメドフ。
ハビブ・ヌル孫目土ヌルマゴメド選手(写真左)
UFC公式サイトより
- Khabib Nurmagomedov
- (ウィキペディア:ハビブ・ヌルマゴメドフ)
ライト級の王者でもあり、階級無差別のランキングで一位であることから、現時点でUFC最強選手と言って良いでしょう。
- 来歴
ハビブは1988年生まれロシア出身の31歳。旧ソビエト連邦出身で、8歳からレスリングを始めていて、父親も格闘家であり格闘ジムを持っていたそう。
2008年に総合格闘技デビューをして、UFC には2012年から参加しています。
- 獲得タイトル・戦績
イーグルのあだ名を持つライト級世界王者であり、ロシア人で初の UFC 世界王者です。 格闘技史上最長の無敗記録である28勝無敗の戦績を誇ります。
2018年の10月には、UFCの収入ランキング1位のトップファイターであるコナーマクレガーに4ラウンド3分3秒サブミッションで勝利しています。
- バックボーン
格闘技の背景バックボーンはロシアの伝統武道のサンボやレスリング・柔道。サンボでロシア・世界タイトルも取得しているそう。
Wikipediaには同じくサンボや柔道に長けたロシアの大統領プーチンと一緒にいる写真も掲載されています!
ヘンリー・セフード
ヘンリー・セフードはUFCのPFPランキングで第3位。1987年生まれの33歳ロサンゼルス出身の フライ級・バンタム級の選手です。あだ名は「メッセンジャー」。

UFC公式サイトより
バックボーンはレスリングとボクシング。2008年に北京オリンピックにも出場して金メダルを獲得しています。最近は空手の要素も取り入れて強さに磨きをかけている様子。
レスリングのフリースタイルで5つの金メダルを獲得しており、2013年から転向した総合格闘技では 世界フライ級とバンタム級の王座を獲得しています。(Wikipedia)
戦績は17戦15勝2敗。
生い立ちはメキシコからの不法移民の大家族の家庭に生まれ、母子家庭で育ったそう。高校時代から才能を発揮しメダルなどをとるようになったようです。
ツイッターでは先出のハビブ・ヌルマゴメドフとの2ショット動画も!
スティペ・ミオシッチ ( スタイプ・マイオシック )
スティーペミオシッチは、1982年生まれの37歳。アメリカのオハイオ州出身のヘビー級選手です。
バックボーンはレスリングとボクシング。身長193 CM 体重111 kg で高校から大学時代はアメフトやレスリング・野球で活躍したスポーツエリートだったそう。 UFC には2011年から参戦しています。
戦歴は、22試合中19勝3敗、内KO勝ちはなんと19。UFC の世界ヘビー級タイトルを2016年と2019年に獲得しています。PFPランキング第4位。
人助けが好きというスティペは、なんとプロである現在も現役の消防士で、仕事を辞めるつもりもないのだとか!
イスラエル・アデサンヤ( ISRAEL ADESANYA )
イスラエル・アデサンヤや1989年生まれのナイジェリア出身の30歳。現在はナイジェリアとニュージーランドの両国籍を持ち、オークランドに住んでいる総合格闘家。
ニックネームはイジー、「ザ・ラスト・スタイルベンダー」などとと呼ばれ、アバターやナルトなど映画やアニメの影響も多く受けている様子。
上のインスタではチャンピオンベルトで見えませんが、腹部にナルトのタトゥーが入っているそう。彼の試合を見る時はチェックしてみましょう(笑)。
キックボクシング、ボクシング、総合格闘技で数々の優勝を果たしており、MMAでは4つの王座を獲得し、2019年からUFC世界ミドル級王座についています。
バックボーンはムエタイ、キックボクシングとボクシング。
プロキックボクサーとして中国でも活躍していたそうです。黒人のムエタイ選手は珍しいと思いますが、裕福な家庭に生まれ、複数の国をまたいで育ったアデサンヤは多文化を受け入れる素地があったのでしょう。
ニュージーに移民した高校時代に受けたいじめの経験が格闘家になるきっかけとなったそうですが、小さい頃から暴れん坊だったようで、ミドル級にしては長身の193センチという身体条件と身体能力に恵まれて、元々格闘家としての素質があったのだと思います。
ナイジェリア→ガーナ→ニュージーに住みながら中国やアメリカなど世界中で活躍する格闘家という経歴だけでも面白いですが、それだけでなく、19戦無敗という強さも素晴らしい。
まだ30歳の若さ。この先も総合格闘技界で活躍が期待される最強選手です。
アマンダ・ヌネス
最後に、UFCの女性総合格闘家の階級無差別最強ランキング、パウンド・フォー・パウンド1位のアマンダ・ヌネスについて言及しておきましょう。
男子に比べると圧倒的に階級と選手数の少ないUFCの女性総合格闘家ですが、その中でもぶっちぎりでトップに君臨しているのがアマンダ・ヌネス。ニックネームはザ・ライオネス(女ライオン)。
1988年生まれブラジル出身の31歳で、4歳から19歳までの間に、4つもの格闘技を学んでいます。
私も4歳から始めていたら今ごろアマンダと肩を並べていたかもしれないのにな…というのは冗談ですが。
わたくしごとながら、80年代当時、バブルで虚構の夢を追っていた日本での「男の子には空手を、女の子にはバレエを」という当時の常識に従った両親がの選択が、「兄は空手即日やめる」「多動症の妹はバレエをやめて15年後に格闘技にハマる」というなんとももったいない結果を招きました(笑)。
そんなことをしている間に、発展途上も途上だったブラジルで、男勝り?で「いつもエネルギーが有り余っていた」というアマンダやその妹に小さい頃から武道を学ばせていたお母様は、今ごろ「ノビノビと育ててよかった」と思っておられることでしょう。
戦績は23試合中19勝4敗、内13KO。バンタム級・フェザー級の2段階制覇を果たしています。バックボーンは、空手、ブラジリアン柔術、柔道、空手、ボクシングで、柔術黒帯・柔道茶帯をもつ。
アマンダ・ヌネスはレズビアンでもあり、同じUFCの女性総合格闘家と婚約をしているそう。女性格闘家の地位獲得に加えて、LGBTの人々にも希望を与える存在ですね。
今後もどんどん活躍してほしいですし、彼女のように強さと美しさや男性性と女性性をバランスの良く兼ね備えた女性格闘家がたくさん出てきて欲しいと期待しています!
MMAとUFCの違いと最強レベルの格闘家(まとめ)
それでは、まとめです。
- 総合格闘技とUFCの違いは、「競技の種類」と「競技団体の名称」
- 総合格闘技は英語でMMA(Mixed Martial Arts)と呼ばれる
- UFCは米国のメジャー総合格闘技団体
- UFCでの最強レベル・注目選手の見つけ方
- PFP(パンドフォーパウンド)階級無差別ランキングと
- 階級別王者の両方に名前のある選手に注目
- ランキングは常に入れ替わるので、その時々にチェックする
- 選手のことを知る方法
- プロフィールを見る(ウィキペディア)
- バックボーンや生い立ち等もチェック
- 試合の動画をユーチューブで見る
- SNSをフォロー
- プロフィールを見る(ウィキペディア)
- UFCでの最強レベル・注目選手の見つけ方
海外では非常に一般的になってきている総合格闘技。ブラジリアン柔術の教室などはそこここにあって、子供も沢山学んでいて今やメジャーな習い事になりつつあるようにと思えます。
日本ではまだ認知度が低いようですが、今後女性を含めた多くの人がその魅力を知って楽しんでもらえたらいいなと思っています。
そのためにも、わかりやすさや親近感、入りやすさは大切ですね。
英語や海外との壁を低くして、今後も初心者の方に身近に感じていただけるような情報発信をしていきたいと思います!
こちらの記事もおすすめです。合気道家がUFCで活躍しない理由が明らかに!
「合気道の演武はやらせ?実戦で使えないと言われる4つの理由とは!」
コメント