日本の伝統的な雰囲気を持ちながら、最近は世界をも魅了している柴犬。インスタやテレビなどで登場する柴犬を見て、柴犬ってこんなに可愛かったっけ?なんでこんなに可愛いんだろう?と不思議に思ったり、あのモフモフを飼ってみたいかも!思ってしまった人も多いはず。
ここでは、柴犬のかわいい見た目や特徴の秘密と、柴犬は性格が変わる、恐くなる!と言われている原因、変わるとどうなってしまうのかとその対策までご紹介します!
これで、どうして柴犬に惹かれるのか、飼っても大丈夫なのかどうかを考える参考になるはずですよ。
それでは、キュートな柴犬について、より深く知っていきましょう!
柴犬はなぜ可愛い?
今や日本のみならず、世界中から愛されるようになった柴犬。海外に住む私も、最近は柴犬を飼っている人をよく目にします。
柴はどうしてこんなに可愛いのでしょうか?その特徴的な可愛さの理由は、見た目とその性質にあります。
理由1:見た目
柴犬がかわいい理由は、ズバリ見た目がたぬきに似ているから(!)です。
柴犬のタヌキ的特徴をあげてみると、こんな感じ。
- 丸顔(頬が張っている)
- 首が太い
- 丸っこい体型
この3つが、たぬきを彷彿とさせる愛らしさの原因。丸っこい顔と体型、そして顔から身体につながる太い首は全体のフォルムをさらに丸く見せています。

(Photo by Rudy and Peter Skitterians on Pixabay)
筋肉質だと言われていますが、首のあたりなどはガッツリとつかめてしまうくらい皮が分厚いので、あの丸い体型にはある程度の脂肪も蓄えているに違いありません。この皮下脂肪の付き具合こそが、みんなが愛してやまない「モフモフ」の原因なのだと推測します!
モフ柴の秘密:実は新種
そして、実はこのモフモフしたタヌキ的な柴(モフ柴)は、交配から生まれた比較的新しい種類の柴犬なんです。
柴犬の歴史は長く、縄文時代から日本人と共に暮らしてきたと言われています。柴犬には縄文柴と呼ばれる古いタイプがいて、見た目がタヌキ柴とは違って、キツネに似ているのだそう。
キツネタイプの柴犬の見た目の特徴、タヌキタイプとの違いを表にまとめてみました。
タヌキ顔 | キツネ顔 | |
顔の形 | 丸顔(愛嬌) | 面長 |
特徴 | 太い首・ 筋肉質・ しっかりした骨格 | 細い首・ 細身・ 歯が大きい |
体型 | 丸くて愛らしい | スタイリッシュ |
見た目 | タヌキに似ている | オオカミに近い |
分類 | 新柴犬、弥生柴 | 縄文柴 |
種類 | 美濃柴など | 信州柴など |
キツネタイプの特徴は、面長であること、首が細いこと、全体的に細身でスリムな体型であることです。
キツネタイプは、タヌキ柴と違って頬が張っておらず、首も細いので、顔(鼻先)から首にかけて非常にスッとした輪郭をもっています。体も全体的に細身でスリムなので、皮を鷲掴みにはできなそうな感じがします。
それでは、キツネタイプは可愛くないのか!?と思われてしまうかもしれませんが、キツネタイプはキツネタイプでスタイリッシュな見た目が人気。海外でもオシャレさんほど、キツネタイプを連れていたりします。
しかし、インスタで圧倒的に人気を誇っているのはやはり、柴犬のまるちゃんなどのタヌキタイプ。この世界には肩の力のぬける癒やしが必要なのです~。
ちなみに、忠犬ハチ公は秋田犬ですが、写真を見てみると、首が太い!そしてモフモフした印象!ハチ公はタヌキタイプの日本犬ですね!
理由2:性質のよさ
柴犬がかわいいもう一つの理由は、その特徴である性質の良さにあります。こちらはタヌキタイプ・キツネタイプの見た目に関わらず、柴犬に共通したチャームポイント。
古くから人間と暮らしながら、狩猟犬としての特徴を獲得していった柴犬。みんなに愛される柴犬の性質とはどんなものでしょうか?
- 忠実・従順・ 気品がある
- 気迫・威厳・勇敢さ
- 素朴さ・忍耐強さ
日本犬に共通する性質ですが、まず第一に、主人である人間に対する忠実で従順な性質が挙げられます。一度服従したら二度と裏切らない、と言われるほどの忠実さ。命をかけて主人に仕えた武士の精神にも通じる、日本の美徳を備えていることが気品となって感じられます。

(Photo by kazzzsat on Pixabay)
さらに、狩猟犬として、時としてクマやイノシシとも対峙することを求められたために、野生動物をも怖がらせるような気迫や威厳、そして勇敢さをDNAに刻み込んでいます。
柴犬は高度の高い日本の本州や四国の山岳地帯で暮らしていたために、厳しい寒さや食べ物が少ない状況にも耐える忍耐強さを持っていると言われています。
そうした厳しい環境の中で生き抜いてきた柴犬には、長い毛や大きな耳などはなく、その飾り気のない素朴さが、その性質の良さを引き立てていると言えるでしょう。
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性格が変わるって本当?
柴犬を飼っている人の中には、小さい頃は人懐っこくて社交的だったのに大きくなってから性格が変わって困った、という経験されている方もいて、柴犬は性格が変わるという噂から、飼わないほうがいいのかと迷っている方もいるようです。
実際に、柴犬の性格は、大人になる過程で良くも悪くも変わることがあるそうです。性格が変わると恐くなるというのは事実のようです。それではその原因や対策について見てみましょう。
2つの原因
柴犬の性格が変わる原因はおもに2つあります。
ひとつは、発情期や生理が原因の場合、そしてふたつ目は、しつけの失敗によるものです。
発情期・生理
生後7ヶ月頃から柴犬は人間でいう思春期に入り、ホルモンの変化から体や心、行動に影響を与え始めます。
- 発情期・生理の影響
- メス
- 性格の変化
- オス
- 縄張り意識
- マウンティング
- オスメス共通
- 攻撃的・非社交的になる
- 飼い主への反抗的態度
- トイレの失敗など
- メス
メスの柴犬では、生理が来る度に性格が変わる、ということを経験されている方もいます。オスでは縄張り、対抗意識、マウンティングなど。
オス・メスに共通して、子犬の頃は誰でも好きだったのに、自分が認めた人や犬以外に対して攻撃的・非社交的になったり、無駄吠えをしたり、飼い主に対して反抗的な態度をとったり、トイレの失敗をするなど、今まで普通にできていたことができなくなる、ということが起こる場合があるそう。
- 全ての柴犬の性格が変わるわけではない
ただし、全ての柴犬がこうなる、というわけではなく、個体差があるのがポイントです。
去勢・避妊手術の効果
去勢・避妊手術をすると、生後1年前後で出てくるこうした性格の変化や問題行動が改善されるそうです。これが柴犬の性格が良い意味で変わる場合。(大人になる過程で4才くらいで自然におとなしくなる場合もあります。)
- 手術の時期は生後半年程度
手術の時期は生後半年くらいまでにするのが良いと言われています。
去勢・避妊手術は犬種に固有の病気の予防になるなど、受けさせてあげることに他のメリットもあるので、すでに飼われている方は、専門のサイトを確認したり、獣医さんに相談をしてみて下さい。
しつけの失敗
柴犬の性格が変わる2つ目の理由として、しつけに失敗することが原因にあげられます。
しつけで失敗するというのは、人間より立場が上だと誤った認識をもたせてしまうことです。
柴犬は、信頼できる主人がいないと、その良い性質である忠実さや従順さを発揮することができません。たとえ飼い主という存在がいても、その人を信頼して主人と認めないことには、主人が存在しないのと同じことです。
- しつけで大切なのは主人が誰かを正しく認識させること
さらに、柴犬は厳しい環境とアグレッシブさを要求される狩猟生活を生き抜いてきた犬種。もともとの性格として、周囲にの環境に敏感であるための神経質さや、必要とあればクマにさえ襲いかかる凶暴性をも持っています。
指示を出してくれる主人がいなければ、その神経質さや凶暴性がコントロールできなくなってしまいます。まわりにボスがいないとなると、縄張りの主人として、自分に干渉してくるものは制圧しなければならないと思ってしまうでしょう。

- しつけに失敗すると柴犬の性質が裏目に出てしまう
このしつけの失敗というのは、他のどの犬種でも起こっていることなのだと思いますが、小さい犬や長い間家の中で観賞用として飼われてきた犬と、オオカミ的な野生性を残す柴犬とでは、その結果が何倍も違ってきて目立つので、特に「柴犬=性格が変わると恐い」と思われているのではないでしょうか。
見方につければ心強い柴犬は、その分間違って敵に回してしまうと他の犬よりも大変なことになってしまいます。そうならないために、しつけを小さい頃からきちんと行うことが大切です。
- しつけは小さい頃からしてあげる
最近では良いドッグトレーナーさんが沢山います。オンラインでも学ぶことができるようになってきていると思いますので、自分に忠誠を誓ってくれる柴犬ならではの魅力を発揮できるよう、 コロコロとしてかわいいうちから、 しつけをしてあげましょう。
恐くなるから飼わないほうがいい?と思っている方も、こうした対応の仕方があることをぜひ知った上で検討していただけると良いと思います。
まとめ
それでは、柴犬のモフモフして可愛い見た目と特徴の秘密と、性格が変わると恐くなるかどうか?についてのまとめです。
- 柴犬の可愛さは見た目とその性質
- 新種のタヌキタイプの丸っこさ
- 忠実・従順さ
- 気品・勇猛さ・忍耐強さ・素朴さ
- 性格が変わる2つの原因と対策
- 発情期・生理
- 生後半年頃に避妊手術をする
- しつけの失敗
- 人間より立場が上と誤認識してしまう
- 柴犬は特に勇猛性などの性質が裏目に出やすい
- 小さい頃からしつける
- 主人が誰かを正しく認識させてあげる
- 発情期・生理
- 性格の変化には個体差がある
こうしてみると、日本の気候風土のなかで私たちと一緒に進化してきた柴犬というのは、その性質や特徴が私たち日本人をそのまま表しているような存在ですね。
実際、海外に住んで他の国の人といることに慣れてくると、日本人に出会ったときに、独特の気品とかわいらしさ、そして芯の強さと忠実さという、柴犬のような魅力があることに気がつきます。
こんなふうに私たちを鏡で映したような存在である柴犬。性格が変わるとその性質が裏目に出てしまいますが、それを知って接してしてあげることができれば、柴犬は私たちのことをDNAレベルで理解してくれる、素晴らしいパートナーになるでしょう!
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